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親友に「失ってから気づいても遅い」と言われた俺が、変わったことを彼女に頑なに認めない理由

コラム

「気のせいだろ」と返した夜

ある日曜の夜、彼女からメッセージが届きました。

「最近、優しくなったよね」

すぐに「別に変わってない」と返しました。続けて「変わったよ。前は『ありがとう』も言わなかったし」と届きました。

画面を見つめながら、少し迷いました。認めてしまえばいいのに。けれど指は勝手に「気のせいだろ」と打ち込んでいました。送ったあと、明日の予定の話題に切り替えました。

その週末、家で映画を観たあとも、彼女はもう一度聞いてきました。

「やっぱり変わったよね?」俺は缶を手に取って頬を掻き、「だから別に変わってないって」と返しました。打ち明ければ納得してもらえる気はします。でも理由が自分の意思ではなく親友の失恋からだと言えば、彼女に対する誠意が薄っぺらくなってしまう気がしたのです。

そして...

帰り道、駅まで彼女を送って、改札の前で「今日もありがとう」と口にしました。彼女は少し驚いた顔をしてから、「こちらこそ」と小さく笑い返してきました。その表情を見て、認めなくても伝わっているのだと思いました。

親友の失恋がなければ、俺は彼女の優しさに気づかないままだったかもしれません。情けない話だと思います。けれど、変わるきっかけが何であれ、変わり続けることはきっと俺自身の意思でできるはずです。

だから、これからも認めるつもりはありません。「気のせい」と言いながら、ひっそり優しさを積み重ねていく。それが俺なりの、不器用な誠意のつもりです。

(20代男性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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