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「あんたの成績じゃ推薦は出せない」と切り捨てた進路指導の先生に、10年後の同窓会で差し出した一枚の名刺

コラム

10年後の同窓会で

先月、地元のホテルで開かれた高校の同窓会に出席しました。受付を済ませて会場に入ると、隅のテーブルに、あの先生の姿がありました。少し白髪が増え、当時より穏やかな表情になっていました。

私はゆっくりと近づき、名刺入れから一枚を取り出しました。「先生、お久しぶりです」と声をかけると、先生は私を見上げ、しばらく目を細めてから「ああ、あなた」とつぶやきました。

「先生のおかげです」

私はそう言って、名刺を差し出しました。先生は受け取った名刺をしばらく見つめ、何度も裏返して確認していました。

そして...

「あの一言がなかったら、今の私はいません」私は続けて、そう告げました。先生はうつむき、しばらく黙ったまま、小さく頭を下げました。怒りでも、復讐でもなく、ただ過去のひとつに決着がついた気がしました。

会場を出る頃、外は雪が降り始めていました。10年前と同じ季節、同じ街、同じ寒さ。けれど私はもう、あの冬の電車のなかにはいません。

(30代女性・通訳会社経営)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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