
彼女に方言を指摘されて標準語に戻した僕が、ずっと隠していた本当の理由
コラム
方言が嫌いだったわけではありません。気を抜くと出てしまうその言葉は、僕にとって弱さの証でした。彼女の前でだけそれがこぼれる意味に、僕はまだ気づいていませんでした。
素が出た、あの一文
彼女とのやりとりは、いつも気負わずにいられて心地よいものでした。あのときも、予定の話で盛り上がって、考えるより先に「ほんま楽しみやな~」と打って送っていました。
すぐに彼女から「今、方言出てたよ笑」と返ってきました。たぶん彼女は、ほほえましく思って言ってくれただけだと思います。それなのに僕は、打ちかけた返信をいったん消して、わざわざ標準語に直してから送り直しました。
「うん、そうだね。楽しみ」。そう打ち直して、何事もなかったように送りました。
言葉を隠してきた理由
地元を離れてから、僕は自分の方言をできるだけ出さないようにしてきました。学生のころ、話し方をからかわれたことが何度かあって、それ以来、人前ではきちんとした標準語で話すのが当たり前になっていたのです。
気を抜いたときだけ、ふいに地元の言葉がこぼれてしまう。彼女の前でそれが出たということは、僕がそれだけ安心していた証だったのだと思います。
でもそのときの僕は、そこまで考えられませんでした。ただ、隠していたものを見られた気がして、とっさに殻に閉じこもってしまったのです。
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彼女がくれた一言


























