
「読んで、やってる人もいるよ」いつも無口な私が、話し合いの席で拳を握って言い切った一言
コラム
リビングで聞いた笑い声を、私はずっと打ち消せずにいました。話し合いの席で口を開いたとき、2人の視線が泳いだのがわかりました。
押せなかったスタンプ
四人で暮らすシェアハウスのチャットに、彼女からお願いが届きました。
「使ったあとのシンク、水滴だけ拭いてもらえると助かります」
もっともな内容でした。それなのにリビングでは、残る2人が「どうせ言うだけでしょ」と笑い合っていました。その場で否定する勇気が出ないまま、私は曖昧にうなずいてしまいました。スタンプを押せば、2人への当てつけに見える気がして、指は画面の上を往復するだけでした。
返事の代わりに
それでも、言われたことは事実でした。私はその日から、寝る前に台所へ行き、シンクの水滴を拭いてから部屋に戻るようにしました。彼女のお願いが増えるたび、ゴミ袋を補充し、傘立てを整えました。
返事の代わりに、先回りして済ませておく。それが私にできる精一杯でした。ただ、彼女の側から見れば全員に無視されているのだということに、私は向き合っていませんでした。
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壁に貼られた紙
























