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再婚2年「ヒロくん」と呼ばれてきた継父の僕。運動会のゴール前で聞いた一言

コラム

妻の息子は僕を名前で呼びます。それが家族のスタンスだと、僕自身が決めたことのはずでした。けれど運動会の校庭で聞こえたあの声を、僕は一生忘れないと思います。

「呼ばなくていい」と言った日

再婚した日、僕はあの子の前にしゃがんで言いました。

「無理してお父さんと呼ばなくていいよ。ヒロくんでいいから。」

あの子の実のお父さんは病気で亡くなったと聞いていました。5歳の子に、急にもう一人の「お父さん」を受け入れろというのは無理な話だと、僕は本気で思っていたのです。

ただ、本音を言えば少しだけ怖かったのも事実です。「呼んで」と頼んで断られるのが怖かった。だから先に「呼ばなくていい」と言ってしまえば、断られた気持ちにならずに済む。そんな自分の弱さを、今ならよく分かります。

バトンを落とした瞬間

リレーが始まりました。あの子はバトンを受け取り損ねて、一度立ち止まってしまいました。気がつくと、僕は観客席で「拾え!」と叫んでいました。妻が驚いた顔でこちらを見たのが分かりました。

あの子はバトンを拾い、走り出しました。4位まで順位を落としても、あきらめずに前を追いかけていました。あの子の姿が、自分が子どもの頃に運動会で転んで泣いた日と重なって見えたのです。

最終コーナーであの子が一人抜きました。3位です。ゴールまであと少しというところで、あの子がこちらを見たような気がしました。

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叫んだ言葉
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