
優しさのつもりが、いちばんずるい逃げでした。好きな人を振った僕が予約した店
コラム
優しさという逃げ
彼女のために身を引いたつもりでした。けれど本当は、きちんと事情を話して、それでも待っていてほしいと頼む勇気がなかっただけなのです。振られた理由もわからないまま、彼女がどれだけ戸惑ったか。そこまで考えが及んでいませんでした。
自分で決めて、自分で線を引いて、優しい男のふりをして去る。いちばん傷つかずに済むのは、いつだって僕のほうでした。予約という優しさも、結局は自分を守るための逃げ道だったのだと、ようやく気づいたのです。
そして...
予約の確認メッセージは、今もスマホの中に残っています。彼女からの返信は、まだありません。僕がすべきだったのは、店を予約することではなく、遠くへ行くと正直に伝えることでした。彼女に選ぶ機会さえ渡さず、勝手に答えを出してしまったのです。その身勝手さを、もう一度だけやり直したいと思っています。
次に彼女と話せたら、今度はうまく言えないなんて言わずに、本当のことを伝えるつもりです。優しさではなく、正直さを。それが、振り回してしまった彼女への、せめてもの誠実さだと信じています。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)

























