
彼が送ってきた曲のタイトルが、私の口癖『なんとかなるよ』と同じだった話
コラム
短い答え
迷った末に、私は「どうしたの、この曲?」とだけ送りました。すぐに読んでくれたようなのに、返信が来るまでには時間がかかりました。
やっと届いたのは「聴いてほしくて」というひとことだけ。それ以上の説明はありません。怒っているわけでも、責めているわけでもなさそうです。
けれど、なぜこの曲なのか、なぜ私の口癖と同じ名前なのか、肝心なところは何も分かりませんでした。短い返事を見つめながら、私はかえって落ち着かない気持ちになっていきました。
そして…
改めて、私はもう一度その曲をきちんと再生してみました。流れてきたのは、気持ちがほどけるような、優しいメロディーでした。歌詞は、うまくいかない日々をそれでも歩いていこう、と語りかけるような内容でした。
聴き終えて気づいたのは、私が彼の何もかもを、悪いほうに読み取ろうとしていたということです。だから私は、勝手に意味を探すのをやめて、思いきって電話をかけました。
「あの曲、どうして送ってくれたの?」と。彼は少し言いよどんでから、「あの曲、君みたいだと思って送ったんだ」と打ち明けてくれました。私が落ち込んだときに口にする「なんとかなるよ」に、ずっと救われていたのだと。リンクだけだったのは、照れくさくて言葉にできなかったからなのだと、ぽつぽつ話してくれました。
「ちゃんと言葉で聞けて、うれしい」
そう返したとき、短いリンクの向こうでこわばっていた気持ちが、すっとほどけていきました。読み解こうとするより、聞いてしまえばよかったのです。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)




























