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「また連絡するね、ゆき」。彼から届いた音声メッセージに、知らない名前が残っていた

コラム

スマホの通知音で画面を開くと、彼からのメッセージが届いていました。最近の彼は、文字を打つ代わりに音声メッセージで短く返してくることが増えていたのです。ところが、その音声に入っていたのは、私の名前ではありませんでした。

音声メッセージで届く、短い言葉

ここ最近の彼は、いつも忙しそうでした。文字を打つ余裕もないのか、返信はたいてい音声メッセージで、用件だけを話した短いものばかり。それでも連絡が来るだけましだと、私は自分に言い聞かせていました。その日のメッセージも、いつもと同じだろうと思っていました。「今度の休みも会えそうにない。ごめん。また連絡するね、ゆき」。スマホから出る音を、私は何度も聞き返しました。ゆき。それは、私の名前ではありません。打ち間違いではなく言い間違いです。彼が、その名前を口にしたということ。考えれば考えるほど、嫌な想像ばかりが浮かんできました。

確かめられないまま

ゆきって、誰だろう。私の知らない人かもしれない。もしかしたら、私より大事な人なのかもしれない。一度そう思うと、もう止められませんでした。彼に直接聞けばいいのに、その一言がどうしても打てません。返信欄に文字を入れては消し、入れては消し。問いただして関係が壊れるのが怖くて、私は当たり障りのないスタンプだけを送りました。それからの数日は、何をしていても上の空でした。彼からの次のメッセージを待ちながら、来たら来たで内容を確かめるのが怖い。そんな落ち着かない気持ちが、ずっと続いていたのです。

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