
3時間守った花火の場所を奪われた私。子どもの一言
コラム
そのとき、相手の子が私と相手を見比べて口を開きました。花火が始まる前に、私が守ったのは場所だけではなかったと今なら思います。
3時間、日差しの中で場所を守っていた
地元で毎年開かれる花火大会は、駅から会場までの道が屋台で埋まるほどの規模です。私は開始の3時間前に会場入りし、通路にかからない位置に2人用のレジャーシートを敷きました。会場のルールを何度も読み直しての判断でした。
日が傾いて浴衣姿の人が増え、屋台の焼きそばの匂いが漂うころ、開始まで1時間を切ります。トイレと飲み物のために席を離れることにしました。パスケースとスマホは肩から下げ、シートの上にはトートバッグ、折り畳んだ上着、未開封のペットボトルを残しました。荷物を置いていけば場所取りが伝わると信じていました。10分もかからないつもりで、隣のシートの人にも軽く目礼しました。
戻った場所には、私ではない家族が座っていた
飲み物と手洗いを済ませて戻ると、私のレジャーシートの上には、浴衣姿のご家族が座っていました。ご夫婦と、幼稚園くらいの男の子です。ペットボトルの水色が視界の端に見えて、目を凝らします。
私のシートは半分に折り畳まれ、荷物ごと通路の端に押しやられていました。その上に、この家族の分厚いシートが敷き直してありました。頭の中で、ここまでの3時間分の日差しと汗が浮かびました。私物を勝手に触られたことのほうが、場所を奪われたことより先に堪えました。周囲は花火開始を待つ人でいっぱいで、注目を集めるのは気が引けました。それでも、他の人のシートの端を踏まないように歩を進めて、その家族に近づきました。「あの、ここ、私が取っていた場所なんですが」。声はできるだけ低くしました。
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相手の子どもが口にした、一言の食い違い























