
「旅費はそっち持ち?」兄が渡した明細で知った甘え
コラム
確認のつもりで送った1通に、返ってきたのはいつもと違う言葉でした。
それでも私が参加をやめなかった理由を、今は情けなく思い出します。改札前で手を振った私に、兄は笑わないまま、鞄から1枚の紙を取り出しました。
いつの間にか済んでいた支払い
兄夫婦との旅行や食事は、私にとって当たり前の予定でした。声をかければ予定に入れてもらえて、宿代も食事代も、気づけば支払いが済んでいました。学生の頃の感覚のまま、社会人になった今もそれを疑いませんでした。
今回の温泉旅行も、兄に「私も行きたい」と伝えるだけで話が進みました。だから確認のつもりで、義姉にメッセージを送ったのです。
「旅費は全部そっち持ちだよね?」
止まったままの画面
届いた返信は短いものでした。
「今回から、旅費は各自で精算にするね」
私は「え、聞いてない。今までそうだったじゃん」と打ち返しました。その後、義姉からの返信はありませんでした。給料日前の残高を思い浮かべながら、私は参加するかどうかを迷い続けました。それでも行くと決めたのは、断られたと認めたくなかったからだと、今なら分かります。
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兄が渡した1枚
























