
彼女を不安にさせた一行は、俺が自分に突きつけたつもりの言葉だった
コラム
その日も、彼女との約束を断るメッセージを打っていました。「ごめん、その日仕事だから無理」。いつもの文面でそう送り返したら、彼女から「最近、その理由ばっかりだね」と返ってきたのです。図星を突かれたまま、俺は自分用のメモのつもりで1行だけ書き残しました。
いつも、できない理由から先に口にしていた
思い返せば、彼女に何かを頼まれるたび、俺はまず無理な理由を探していました。残業、付き合い、気分が乗らない日。そのどれも嘘ではないけれど、本当はやりたくないだけの時もあったと思います。このところの彼女は、誘っても断られる前提で予定を組んでいるようでした。あの一言は、薄々気づいていたところを正面から言い当てられた感じだったのです。
自分に向けたつもりの、たった一行
決意を言葉にすれば変われる気がして、手元のメモに「言い訳にしない」とだけ打ち込みました。普段使っている自分用のメモと、彼女との共有メモは、並びがよく似ています。開いていたのがどちらだったか、そのときの俺は確かめてもいませんでした。書いたことすら、半ば忘れかけていたほどです。
次のページへ
メモを見せられて、ようやく打ち明けた
























