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同僚の恋愛相談を受けていた俺が、あるきっかけで気づいてしまった相手の正体

コラム

同僚の女性から恋愛相談を持ちかけられた俺。雨の日に貸したハンカチとブラックコーヒーの話で、その『相手』が自分自身だと気づいてしまって……。

「相談があるんです」と話しかけてきた彼女が、こちらと目を合わせないまま、うつむきました。

「相談に乗ってもらえませんか」

職場の昼休み、隣の席の彼女が、いつになく改まった口調で切り出してきたのです。仕事の悩みかと身構えた俺に、彼女は箸を持ったまま、「実は……職場に、ずっと気になっている人がいて」と続けました。

俺は「相談くらいなら、いつでも聞くよ」とだけ返しました。彼女は珍しく早口で、どんな人かと聞いてもうまく答えてくれません。誰の話だろうと思いつつ、その日は彼女の表情の方が気になって、肝心の中身が頭に残らないまま昼休みが終わりました。

消灯したフロアで聞いた『その人』の話

仕事が長引いた日、フロアに残っているのは俺と彼女だけになりました。コーヒーを淹れて、彼女の机に紙コップを置きました。

「その人、忘れ物をした私に、何も言わないでハンカチを差し出してくれたんです」

俺は少しだけ手の中の紙コップを握り直しました。半年前、雨の日に貸したハンカチを思い出したからです。ただ、社内でハンカチを差し出す人間など他にもいる、と自分に言い聞かせました。

続けて彼女は、「コーヒーをブラックで飲む人で」と付け足しました。手元の紙コップが妙に重く感じました。

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