
彼が送ってきた駅構内の地図。遠回りの矢印だけが不安を大きくした
コラム
エレベーター前で聞いた理由
曲がり角を抜けると、彼がエレベーターの近くにいました。「なんで遠回りさせたの?」と聞くと、彼は改札側を指しました。「いつもの出口のエスカレーター、止まってた。そこからだと長い階段しかなくて、足痛いって言ってたから」
その理由を聞いて、怒りの行き場が少し変わりました。彼が気遣ってくれていたことは分かりました。でも、だったらなぜ先に言ってくれなかったのかという気持ちは消えませんでした。
そして...
彼は「充電がほとんどなくて、地図だけなら送れると思った」と言いました。実際、彼のスマホはすぐに電源が落ちそうな状態でした。事情を聞けば、彼の行動は私を困らせるためのものではありませんでした。
それでも、理由のない矢印だけで歩いた時間が消えるわけではありません。短くてもいいから、なぜその道なのかを添えてほしかった。そう伝えると、彼は「地図を送れば分かると思ってた」と言い、それから「ごめん」と続けました。
優しさは、たぶん伝わる形にして初めて届くのだと思います。次に同じことがあったら、道順より先に理由を教えてほしい。そう言えたことで、私も彼の気遣いを受け取り直せた気がしました。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)



























