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「友達に戻ろう」と言った俺が、彼女の服の箱にそっと1着だけ忍ばせたもの

コラム

海外転勤が決まったとき、彼女に何を言えばいいのか決められませんでした。一緒に来てほしいとも、待ってほしいとも言えないまま、俺は彼女の服を畳み始めました。最初にするべきだった話し合いを、荷造りで先回りしていました。

転勤を伝える前に考えていたこと

彼女とは2年付き合い、半年前から同棲していました。仕事にも暮らしにも慣れてきて、このまま続いていくものだと思っていました。

そんなとき、海外転勤を命じられました。期間は短くありません。彼女には仕事があり、こちらで築いてきた生活もあります。俺の都合で全部変えてほしいとは言えませんでした。

でも、本当は一緒に考えてほしかったのだと思います。その気持ちを認めるのが怖くて、俺は先に結論を出そうとしました。関係を終えるほうが彼女のためだと、自分に言い聞かせていました。

「友達に戻ろう」

彼女が帰ってくるまでの間、俺はリビングで彼女の服を畳んでいました。何かしていないと、話し出す前に逃げてしまいそうでした。

彼女が部屋に入ってきて、「何してるの」と聞きました。用意していた説明はありました。転勤のことも、彼女の仕事を大切にしたいことも、きちんと話すつもりでした。

それなのに、最初に出たのは「友達に戻ろう」でした。彼女が理由を聞いてから、やっと転勤の話をしました。俺は順番を間違えていました。話し合う前に、彼女の荷物をまとめてしまっていたのです。

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