
「一緒に観ない?」を何度も断った僕は、ひとりであのページを開いていた
コラム
検索履歴に残った映画のタイトル
仕事の合間に、彼女が何度も観ていた映画のタイトルを検索しました。レビューを読めば、こだわる理由がわかるかもしれないと思ったからです。読み進めるうちに、彼女が好きだと言っていた場面がどういう意味を持つのか、少しだけ見えてきました。主人公が言葉にできない思いを抱えたまま雨の中を歩く場面を、彼女がいつも繰り返し観ていた理由がわかった気がしました。でも「読んだよ」と切り出すきっかけがつかめないまま、ページを閉じることもできず、何日かが過ぎました。
そして...
台所から戻ってきた彼女が、テーブルの上の僕のタブレットをちらりと見たのに気づきました。開いたままのレビューページが、そのまま残っていたのです。彼女は何も言わず、マグカップを2つ持ってソファに座りました。いつもは1つだけのそれが、今日は2つ並んでいました。僕がリモコンを受け取らなかった日の数だけ、彼女は1人で映画を観ていたのだと、そのとき初めて思い当たりました。あのとき差し出された手を、握り返すだけでよかったのだと。
(20代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)



























