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席を譲って怒鳴られた私。降り際の一言が残った

コラム

降り際

その後、年配の女性がドアのほうに歩き出しました。降りるのだとわかって、吊り革を握る手の力がゆるみました。ドアが開いた直後、その人が足を止めて振り返りました。目が合ったのは1秒くらいだったと思います。さっきまでとは違う表情でした。

「あなたが悪いんじゃないの」

そう言い残して、年配の女性はホームに降りていきました。紙袋を持ち替えて改札のほうへ向かう背中を、私は閉まるドア越しに見ていました。

そして...

帰り道、あの一言がずっと頭の中にありました。怒っていたはずの人が、最後に残した声は少し掠れていて、責めるような調子ではありませんでした。あの人にとって席を譲られることが、私の知らない何かとつながっていたのかもしれません。理由はわかりません。

けれど家の最寄り駅の改札を通るとき、次に同じ場面があったら、立ち上がる前にまず相手の目を見てみようと思いました。声のかけ方1つで届くものが変わるのなら、それを知れたことは、あの電車での数分間のおかげです。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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