
妊娠した妻のために全部やる、と決めた俺が、妻より画面を選び続けていた話
コラム
妻には何もさせないと決めていた。それなのに気づけば俺は、目の前の妻より画面を選び続けていました。妻からの問いが、俺の見落としを浮かび上がらせた瞬間。
妊娠が分かった日の帰り道、俺は本屋に寄って育児本を3冊、無言でレジに置きました。
「俺が全部やる」と決めた日
妻の妊娠が分かってから、俺は決めていました。妻には何もさせない、家事は全部俺が引き受ける。「俺が全部やるよ。無理しないで」と伝えた日の妻の笑顔は、今も覚えています。
最初の1ヶ月は順調でした。ごみ捨てを日課にして、食事は帰宅後に1から作りました。洗濯物も自分で畳みました。けれど日が経つにつれて、俺の頭には別の心配ごとが増えていったのです。もうすぐ子どもが生まれる。俺は父親になるのに、赤ちゃんの抱き方も、沐浴の仕方も、陣痛が来たときの対応も、何一つ知りません。
家事より、育児の準備が気になった
育児サイトを見始めたら、止まらなくなりました。夜間授乳の間隔、産後うつのサインを見逃さないためのチェックリスト、陣痛タクシーの登録方法。全部覚えておかないと、と思ったのです。
気づけば、家事の合間にスマホを開くことが増えました。炒め物を火にかけたまま、産院の助産師が話す動画に集中していたこともあります。洗濯物を畳みながら、育児アプリの記事を最後まで読もうとしていました。
妻が声をかけてくれても、「ん、ちょっと待って」と返してしまうことが増えていました。記事を最後まで読み終えてから、動画を最後まで見終えてから、と思っていたのです。
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「そのスマホ、誰と何話してるの」


























