
「荷物、もう送らなくていいよ」と母に告げた私が、箱の底の封筒の中身を見つけた日
コラム
箱の底に貼られていた封筒には「困ったら開けてね」の文字。開けた私が見つけたのは、仕送りのお金ではありませんでした。母の字を、私は読み返します。
玄関で受け取った段ボールには、先週と同じ缶詰と、頼んだ覚えのないタオルが詰まっていました。
断っても届き続ける荷物
春に実家を出て、1人暮らしを始めました。母は昔から過保護な人です。遠足の前日には持ち物を何度も確認し、進学先にも就職先にも口を出してきました。実家を出ると決めた時も、最後まで渋い顔をしていた人です。引っ越してからは、それが荷物に変わりました。缶詰、レトルト、洗剤、タオル。頼んでいない物が毎週のように届き、付箋には「ちゃんと食べてる?」の文字。まるで離れた場所から生活を見張られているようで、私は届いた箱を開けもせずに、部屋の隅へ積み上げるようになっていました。
かみ合わなかった電話
電話で、思い切って伝えました。「荷物、もう送らなくていいよ」と。送料だってかかるし、置き場所もない。私はもう子供じゃない。そう続けようとした私に、母は「余ってるだけだから、気にしないで」とだけ言って、天気の話に変えてしまいました。結局こうやって、私の言い分はいつも流されてきたのです。通話を切った部屋で、積み上がった箱だけが母の言い分のように居座っていました。
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箱の底に貼られた封筒
























