
「荷物、もう送らなくていいよ」と母に告げた私が、箱の底の封筒の中身を見つけた日
コラム
箱の底に貼られた封筒
それから届く荷物は、目に見えて小さくなりました。数週間後に届いた箱は片手で持てるほど軽くて、中身は乾物が少しだけ。底に、白い封筒がテープで貼りつけてありました。表には母の字で「困ったら開けてね」。今度は現金で黙らせるつもりだろうか。そう身構えて開けると、出てきたのは手書きのカードの束でした。肉じゃが、からあげ、豚汁。どれも、子どもの頃から私が一番好きだったおかずです。分量の横には「うちの味。あなた好みに甘め」と添えられていました。
そして...
最後の1枚には、レシピではなく短い一言がありました。「作れるようになったら、送るのはやめるね」見張られていると思っていた荷物は、手を離す準備だったのかもしれません。文句を並べていた自分が急に子どもっぽく思えて、母には敵わないな、と思いました。私はその夜のうちに電話をかけて、「今度、家帰るね」と伝えました。私が料理作れるの見せてあげる、と言い添えると、電話の向こうで母が笑いました。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)


























