
「みんな歩いてるじゃん」エスカレーターで先に行く彼、人混みでよろけた私が伝えた一言
コラム
連休の駅で、エスカレーターを歩いてきた人の鞄が肩に当たり、私は手すりにつかまって踏ん張りました。先に上っていた彼は気づかず、改札の前でスマホを見ていました。
転びかけたことよりも、彼が遠くにいることが引っかかりました。
いつも改札の前で待つ彼
付き合って2年になる彼とは、休日に隣町の映画館まで出かけることがよくありました。
駅のエスカレーターに乗ると、彼は決まって「先、上で待ってるね」と言い、歩いて上っていきます。私は手すりにつかまり、遠ざかる背中を見送っていました。
改札の前で合流すると、彼はスマホで上映時間を確認しています。彼が先に進んだだけなのに、待たせているのは私のような気分になりました。
「みんな歩いてるじゃん」
ある日、駅に「エスカレーターでは立ち止まってください」という掲示が出ていました。
私は彼に、「片側を空けるのって、本当はやめてほしいんだって」と伝えました。彼は掲示を見て、「みんな歩いてるじゃん」と笑いました。
私は掲示へ目を戻しました。歩かずに利用してほしい気持ちもありました。ただ、それ以上に、先に行かず近くにいてほしいと伝えたかったのです。
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先で待っていた彼
























