
「みんな歩いてるじゃん」エスカレーターで先に行く彼、人混みでよろけた私が伝えた一言
コラム
先で待っていた彼
連休の駅は、普段より多くの人で混み合っていました。彼はその日も先に上り、私の横を急ぎ足の人が次々と通っていきました。
そのうちの1人が持っていた鞄が肩に当たり、体が段の端へ傾きました。手すりにつかまり、足を置き直してから顔を上げました。
彼はすでに改札の前にいて、こちらに背を向けていました。ぶつかられたことより、私に起きたことを知らないまま待っている彼との距離が気になりました。
そして...
帰り道、彼と並んで歩きながら、私は前を向いたまま言いました。
「隣にいてほしいだけなんだけどな」
彼は少し間を置き、「次は、隣にいる」と答えました。
次の休日、彼は私より先へ行かず、エスカレーターでは同じ段に並びました。案内板に書かれた行き先を読み上げる声が、すぐ隣から聞こえました。
改札の前で待ってもらうより、同じ速さで進んでくれることがうれしかったのだと分かりました。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)


























