
友人宅の床を汚した息子より先に、私が謝れなかった理由
コラム
受け取った雑巾
「拭くの、代わってくれる?」。立ち上がった友人が、絞った雑巾を私の前に差し出しました。意地悪だとさえ、一瞬思いました。受け取って廊下に膝をつくと、砂の粒がいくつも指先に触れました。その量が、私が見過ごしてきたものの量でした。「ごめん。うちでは気にしたことがなくて」。友人への反発と、そんな自分への恥ずかしさが入れ替わっていくのを、拭きながら確かめていました。
そして...
帰り道、手をつないだ息子に「よそのおうちでは、足を拭いてから上がるんだよ」と伝えました。数日後、息子と2人で、友人の家をもう一度訪ねました。玄関で息子は自分から足の裏を見せて、「よごしてごめんなさい」と頭を下げます。友人の出してくれたタオルで息子が足を拭く間、私は隣で頭を下げました。廊下は、その日も光っていました。
(30代女性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)


























