
親友の恋人を褒めない私が、彼女の報告を聞くたび比べていたもの
コラム
彼女の恋人を褒めない理由を、私は誰にも言えずにいました。彼女の話を聞くたび、頭の中で比べていたものがあったからです。
スマホの画面を、指先だけでスクロールしていました。映っていたのは、親友が恋人と旅行先で撮った写真です。感想を待たれているのは分かっていたのに、私の口から出たのは「ふーん」だけでした。
「まあ、悪い人ではなさそうだね」と返した日
彼女は大学のころから、私の後をついてくる側でした。服も店も、恋愛の話も、新しいものを先に持ち込むのはいつも私でした。その並び順が心地よかったのです。だから交際の報告を受けた日、嬉しそうな彼女を前に、順番を抜かされたような感覚がありました。口から出たのは「まあ、悪い人ではなさそうだね」。褒め言葉は、意識して外しました。褒めたら、彼女が私より先を歩いていると認めることになる気がしたからです。
3人で会った日の帰り道
3人で食事をした日、彼は私の好き嫌いまで把握していて、料理を取り分け、話題を振ってくれました。良い人でした。だからこそ、褒めたくありませんでした。彼を認めるほど、彼女が自分より先へ進んだことまで認める気がしたからです。帰り道は「お店、良かった」とだけ言って、彼の話題を避けました。家に帰ってからも彼女の投稿を開いては、自分の毎日と見比べました。友達の恋人を褒めることは負けを認めること。いつからか、そんな自分だけのルールで、一番近い友達を採点していたのです。
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「一度も褒めてくれないの、なんで?」

























