店員「触らないでください」見ていただけなのに→そのあとオーナーがギターを手渡すと店員は顔を上げなかった

コラム

壁に増えていたギターを見上げていると、斜め後ろから「触らないでください」と声をかけられました。手は後ろで組んでいたのに、店員はその後もレジから何度もこちらを見ています。そこへ奥から出てきたオーナーが、脚立を壁際へ運びました。

家にある3本は、この店で買いました

学生のころにやめたギターを再開してから、私はこの店へ通っています。壁に掛かった楽器は勝手に触らず、気になるものがあれば声をかける。それが私のいつもの見方でした。オーナーと丸椅子を並べて試奏したこともあり、家にある3本はすべてここで買ったものです。

その日、壁には見慣れないギターが1本増えていました。値札を下から見ながら、手は後ろで組んでいました。

「触らないでください」

振り向くと、見覚えのない店員が立っていました。胸には名札があります。私は後ろで組んでいた手を胸の前まで上げ、壁から1歩離れました。触っていないと説明することもできましたが、そのまま小物の棚へ移りました。

レジから何度も向けられた目

小物を手に取って棚へ戻すと、レジの内側から店員がこちらを見ていました。目が合うと伝票へ戻り、しばらくするとまた顔が上がります。同じことが3回続きました。

途中から、私は両手をポケットへ入れて店内を回りました。触らないと分かってもらう方法が、それしか思いつかなかったからです。

店員にとって私は初めて見る客だったのでしょう。それでも、何かを手に取るたびに確認されるのは居心地のいいものではありませんでした。

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