
夫の誕生日のケーキに2時間並んだ私が、あと数人のところで列を抜けた理由
コラム
あと数人で、列を抜けました
顔を上げると、前にいるのはあと数人です。
ここまで2時間並びました。
もう少し待てば、今年もケーキを買えます。
でも、そのために残れば、夫が去年から希望していた時刻の食事には間に合いません。
私は列を抜けました。
そして夫へ、
「ケーキ、やめました。今から帰ります」
と送りました。
すぐに返事が来ました。
「並んでたの?」
「2時間並びました。あと数人でした」
「どうして抜けたの」
私は、
「去年のメッセージを読み直しました」
と返しました。
少し間が空いてから、夫の言葉が続きました。
「いらないは、遠慮で言ったんじゃないんだ」
「毎年、先に1人で座って待ってた」
私は、
「ごめんね。今年は間に合わせる」
と送り、駅へ急ぎました。
そして...
家に着くと、夫が用意した料理がテーブルに並んでいました。
今年はまだ温かいままでした。
私の手には、毎年持っていた白いケーキの箱はありません。
「本当に手ぶらなんだ」
夫が言うので、
「いらないって言った人が言う?」
と返しました。
2人で同時に席につき、そのまま食事を始めました。
食べ終わったあと、近所の店まで一緒に歩きました。
「少しくらい甘いもの食べる?」
と聞くと、夫は、
「それなら食べる」
と答えました。
冷蔵庫には今、小さなプリンが2つ並んでいます。
今年の誕生日に初めて買わなかったケーキより、約束の時刻に2人で座れたことのほうを、私は覚えておこうと思います。
(30代女性・医療事務)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)




























