
夫のスマホに浮かんだ「本日14時、面接」→転職を隠していた訳は、私の実家の近くの求人でした
コラム
勤務地の欄にあった、見慣れた町の名前
入力中の表示が出ては消え、また出ては消えました。届いたのは「見たんだ」。続けて「隠しててごめん。帰ってから話す」。私は「今、教えて」と返しました。次に来たのは言葉ではなく、1枚の画像でした。求人票の写真でした。「勤務地のところ、見て」と添えられた欄に並んでいたのは、私の実家がある町の名前でした。父が店を畳んでから、両親は2人だけで暮らしています。もっと帰れたらいいのに、と私が口にしたのは、たぶん3度や4度ではありません。画面の上で「お義父さんとお義母さんの近くに住めたらと思って」の文が続きました。私は「帰ってきてから聞く」とだけ返し、スマホを鞄の底に入れました。
そして...
玄関で靴を脱ぐ夫に、私は「なんで黙ってたの」と聞きました。夫は「言ったら、無理しなくていいって言われる気がして」と答え、少し間を置いて「言ってくれるのがわかってたから、逃げ道にしそうで」と続けました。今日は休みを取って、向こうの町まで電車で行っていたそうです。結果は来週だと言いました。私は「私にも、選ばせてほしかった」と言い、通知を見たのはシャワーの間だったこと、聞けばよかったのに一日中悪いほうに考えていたことを、そのまま話しました。求人票の画像は、まだ消していません。実家にも、何も伝えていません。夫が10年いた会社を離れる形が正しいのか、私にはまだ答えが出ていないからです。
(30代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)





























