彼女の上司に「どうも」とだけ頭を下げた俺→あの場で「彼氏です」を飲み込んだ理由

コラム

重い袋を2つとも持った帰り道

上司が去ったあとも、彼女の横顔は硬いままでした。言葉で説明すれば言い訳になる気がして、「袋、2つとも持つよ」と両手に提げました。せめてもの埋め合わせのつもりでしたが、彼女の返事は短くなる一方です。

あの場で答えなかったのは、彼女に選んでほしかったから。でも彼女から見れば、隣にいた男が自分たちの関係を口にしなかった、それだけのことです。あの「あ、えっと……」は、俺に答えてほしいという合図だったのかもしれない。袋の重さより、そちらのほうがずっと気になっていました。

部屋に戻っても、うまく切り出せないまま。彼女から聞いた話を持ち出せば、責任を押しつけるようで口が重くなりました。

そして...

休み明け、仕事の合間にスマホが鳴りました。

「課長に、彼氏だって言ったよ」

彼女が自分で決めて、自分の口で伝えた。そのことが、思っていた以上にうれしかったのです。すぐに「よかった」とだけ返して、少し時間を置いてから次の文を打ちました。

「この前、黙っててごめん。言っていいのか分からなかった」

迷った末に、もう1通。

「次に課長に会ったら、今度は俺からちゃんと挨拶してもいい?」

送信したスマホを机に置いたまま、返事が届くのを待っていました。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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