
「お前は笑うと不細工」と同窓会の座敷で言った彼を、駅のホームで問い詰めた話
コラム
駅のホームで問い詰めた私に、彼は言い訳をせずに頭を下げました。けれど、理由を聞いた私に返ってきた言葉は、思っていたものとまるで違っていました。
居酒屋の座敷に、サークル時代と同じ笑い声が戻っていました。卒業してから初めて開かれた同窓会で、私は彼と並んで座っていました。その笑い声の中で、隣の彼があんな冗談を口にするとは思っていませんでした。
笑い声の輪の中で言われたこと
彼とは大学の旅行サークルで知り合い、付き合って3年になります。笑う時に口元を手で覆うのは、中学生の頃からの癖でした。笑い声が大きいと友達にからかわれて以来、声を出さずに笑うようにしてきたのです。
座敷は合宿の思い出話で盛り上がっていました。口火を切ったのは同期の1人。
「合宿で道に迷って、全員で同じバス停に2回戻ったよな」
座敷じゅうが笑いに包まれ、私も口元を押さえて笑いました。その時、隣の彼が言ったのです。
「お前は笑うと不細工」
「え?」
「冗談じゃん」
彼が笑うと、周りもつられて笑い出しました。話題はそのまま次へ移り、私も手を口元に当てたまま、笑顔を作っていました。
駅のホームで切り出した話
同窓会がお開きになった後の、駅までの帰り道。彼は久しぶりに会った同期の話を、楽しそうに続けていました。改札を抜けてホームで電車を待つ間も、話は止まりませんでした。そこで、こちらから切り出しました。
「さっきの、冗談で済むと思ってる?」
彼の顔から笑みが消えました。
「私、昔から自分の笑い方が好きじゃないの」
口元を覆う癖のことを話す間、彼の視線は足元に落ちたままでした。それから、こちらに向き直って頭を下げました。
「ごめん。みんなの前で言っていいことじゃなかった」
言い訳を1つも挟まない謝り方でした。
「じゃあ、なんであんなこと言ったの」
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ホームに響いた彼の声



























