
「妻には言うなよ」同期に話す夫の声を、私は玄関で聞いてしまいました
コラム
玄関の鍵を回したとき、リビングから夫の声が聞こえました。「妻には言うなよ」。いつもの夫の声なのに、私だけが知らない何かがある。夫の何気ない行動まで疑うようになりました。
いつもどおりの夫の声で
その日は、夫の同期が久しぶりに家へ飲みに来ていました。私も顔なじみの人です。お酒の氷が足りなくなり、コンビニへ買い足しに出ていました。
「妻には言うなよ」
玄関に戻った私の耳に、夫の声が届きました。同期の返事は聞き取れません。わざと音を立ててドアを閉め、「ただいま」と声をかけました。
「おかえり。早かったね」
夫は何事もなかったようにグラスを持ち上げました。同期もいつもどおりです。2人の様子からは、何を隠しているのか分かりませんでした。
「仕事の話だよ」とだけ言った夫
同期が帰ったあと、洗い物をしながら聞きました。
「さっき、何の話してたの?」
「仕事の話だよ」
夫はそれ以上話しませんでした。
それから、夫は電話が鳴るたびにベランダへ出るようになりました。窓を閉め、私に背を向けて話しています。
仕事の話なら、なぜ隠すのだろう。もしかして、浮気でもしているのだろうか。
考えすぎだと思いながらも、夫のスマホが鳴るたびに気になりました。私は半年前に転職したばかりで、ようやく仕事が楽しくなってきたところでした。夫も応援してくれていたのに、最近は自分の話をほとんどしません。夫が何を隠しているのか。確かめるきっかけは、思わぬ形でやってきました。
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「人事部」と印字された封筒


























