
「どこでもいいです」が口癖の後輩を誘う前に、俺が彼女のSNSを1年以上さかのぼったわけ
コラム
「どうして知ってるんですか?」と聞かれて、最初に打った返事は送らずに消しました。本当のことを書くには、あのときの俺にはまだ少し勇気が足りなかったのです。
送信ボタンに触れる手前で、何度もスマホをベッドに伏せました。誘い文句は10回以上書き直して、残ったのは短い2通だけです。けれど、それより長く時間をかけたのは店選びのほうでした。
「どこでもいいです」しか返ってこなかった
同じ部署の後輩は、俺の担当する取引先の事務を受け持ってくれている存在です。外回りから戻るたびに彼女の席へ声をかけていたのは、半分は仕事で、半分はそうではありませんでした。
ただ、彼女の好きなものを俺は何も知りませんでした。ランチに誘っても、返ってくるのはいつも「どこでもいいです」。困らせたくなくて、それ以上は聞けずにいました。
彼女が「好き」とはっきり書くのは、部署の飲み会で教え合ったSNSの中だけです。投稿が上がるたびに、こっそり開いていました。
1年以上前の投稿と、送らなかった返事
誘う前に、彼女の投稿を1つずつさかのぼりました。ようやく見つけたのが、「ここのグリーンカレーが一番好き。また行きたい」という投稿です。日付は1年以上前でした。
「お疲れさま」
「ご飯行こう」
やっと送ると、「ぜひ行きたいです」と返ってきました。続けて「ここ、どうかな」とURLを送ると、
「ここ、私の一番好きなお店です。どうして知ってるんですか?」
最初に打ったのは「たまたま見つけた」。投稿を何十件もさかのぼったと知られたら、引かれる気がしたからです。けれど嘘をつくのも違う気がして消し、「前に投稿してたよね」とだけ送りました。
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苦手なことは、言わずにおいた


























