「会社の飲み会、彼女も連れてきていいって」と彼→居酒屋の座敷で、彼の上司が私を見て言った一言

コラム

彼の上司の課長さんが初対面の私に言ったのは、彼と私しか知らないはずのことでした。帰りの電車で彼に送ったメッセージにも、予想していたどれとも違う返事が届きました。

飲み会の日の夕方、クローゼットの前で、紺のブラウスと白いニットを交互に体に当てていました。彼の職場の人たちに会うのは、これが初めてです。感じよく見えるほうを選びたくて、何度も着替え直しました。

3回目のキャンセルのあとに届いた誘い

話は半月前にさかのぼります。付き合って2年になる彼は、今月だけで3回、約束の日に残業が入っていました。そのたびに届くのは「ごめん、今日も無理になった」というメッセージ。私は「大丈夫、仕事がんばって」と返し、予約していたお店にキャンセルの電話を入れてきました。

そんな彼から届いたのが、「会社の飲み会、彼女も連れてきていいって」という誘いです。私は聞き返しました。

「え、私が行っていいの?」

「うん。課長もぜひって」

「なんで課長さんが?」

私がそう送ってから、彼の返事までには少し間がありました。届いたのは「来たらわかるよ」だけ。はぐらかされた気はしたものの、職場を見てみたい気持ちが勝ちました。

乾杯のあとに向けられた言葉

当日、居酒屋の座敷には10人ほどが集まっていました。彼の隣で乾杯を済ませた直後、奥の席からグラスを持った女性がやってきました。彼の上司である、50代くらいの課長さんです。課長さんは私を見るなり、こう言いました。

「あなたが、キャンセル続きの彼女さんね」

周りの何人かが、こちらを振り向きました。口をつけたばかりのウーロン茶を、テーブルに戻せずにいました。今月のキャンセルを知っているのは、私と彼だけのはず。彼は職場で、私のことをどう話していたのだろう。

なんとか笑顔を作って頭を下げると、課長さんは「本当にごめんなさいね」と続け、別の席から呼ばれて戻っていきました。横を見ると、彼はジョッキの取っ手を握ったまま、テーブルの一点を見ていました。

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