単身赴任の父と息子の内緒のやりとり→「母さんの誕生日、何がいい?」の相談が100件ありました

コラム

息子のスマホに続いていた100件の相談

塾から帰った息子に、父から届いた画面を見せました。息子は「あー」と声を漏らし、自分のスマホを握ったまましばらく迷っていました。

「じいじとの約束だから、中身は言えない」

そう言いながら見せてくれたのは、トーク画面の一番上だけ。3週間前の、父から息子へのメッセージでした。

「母さんの誕生日、何がいい?」

「もう100件くらいやりとりしてる」

息子はそう付け足して、画面をまた伏せました。

母への贈り物は、高校生のころからずっと私が選んできました。毎年この時期に父から「今年も頼む」と届き、私が決めて、父が代金を払う。今年はまだ、その1行が届いていませんでした。

私には「元気か」しか打たない父が、息子とは100件。台所に戻り、乾いた湯のみを布巾で何度も拭き直しました。

そして...

父とのトーク画面を開き、「何の話?」の下に1行だけ打ちました。

「紺がいいと思うよ」

しばらくして届いたのは、「ありがとう。母さんには内緒な」という返事と、お辞儀をするクマのスタンプでした。父からスタンプが届いたのは、初めてのことでした。

100件のやりとりの中で、父と息子は何を話していたのか。私に頼まなかった理由も、あのスタンプをどこで覚えたのかも、父にはまだ聞けないままでした。

(30代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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