「家族旅行には来なくていい」と言われた私→義母から届いた座敷の写真で、私の席だけが空いていた

コラム

義母からの言葉は、読み方で意味が変わってしまうものでした。私は返事を決められないまま、届いた写真を見ていました。

義母から届いた写真には、宿の座敷で長いテーブルを囲む夫の家族が写っていました。義父も義妹も、義母の隣に座る夫も、そろって笑顔です。けれど、襖のそばの席だけは、座布団が1枚置かれたままで誰も座っていませんでした。

理由を聞いても、夫は答えなかった

夫の家族は、毎年1泊の温泉旅行に出かけます。結婚して5年、宿の予約も、義父の好きなお酒の手配も、ずっと私の役目でした。今年も休みを申請し、冷蔵庫の横のカレンダーに2日分の丸をつけていました。

その数日後、ベランダで電話をしていた夫が、スマホを握ったまま戻ってきました。

「家族旅行には来なくていい」

カレンダーの前に立ったまま、「どうして?」と聞きました。

「母さんが決めたことだから」

夫はそれだけ言うと、流しで自分のコップを洗い始めました。水の音が続く間、丸をつけたペンのキャップを、閉めては開けていました。

撮ってきたのは、いつも私だった

休みは取り消さないまま、旅行の日を迎えました。夫が出かけていくと、家の中は洗濯機の回る音だけになりました。

何か嫌われるようなことをしたのだろうか。考えながら、スマホのアルバムをさかのぼりました。去年の宿の座敷、一昨年の海沿いの露天風呂の入口、その前の年の紅葉。どの写真にも夫の家族が並んでいて、私の顔はどこにもありません。撮っていたのは、全部私でした。

食事の席では、いつも襖のそばに座っていました。料理を受け取りやすく、義父のグラスが空けばすぐ気づける場所です。誰に頼まれたわけでもなく、1年目から自然とそこが私の席になっていました。役に立っていれば、家族の輪に入れてもらえる。そう信じて続けてきた5年でした。

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