娘に「パパしつこい」と打たれた俺→コンビニまでの道で娘に伝えたこと

コラム

コンビニまでの道で娘と決めたことは、妻にも話さない約束です。きっかけは、娘が家族のグループに送った一言でした。

取引先の駐車場でエンジンを切り、商談の資料をひざに広げたところでした。ホルダーのスマホに浮かんだのは、家族のグループチャットの通知です。送信したのは、中学1年の娘でした。

駐車場で読んだ通知

アプリを開くと、娘のメッセージはまだそこに残っていました。「パパしつこい」とだけ。

始まりは前の日の夕飯でした。娘のスマホが鳴り、俺は画面をのぞき込んで「これ誰?男の子?」と聞きました。娘は答えずに箸を置き、自分の部屋へ戻っていったのです。心配のつもりの一言が、からかう口調になっていました。

読み返すうちに、その一言は取り消し済みの表示に変わりました。消したということは、俺に届くはずのない言葉だったのでしょう。本当は誰に言いたかったのか、考えるまでもありませんでした。

「見てないよ」と打って消した

資料を閉じたところで、妻から個別のメッセージが届きました。

「今日、家族のグループ見た?」

「見てないよ」と打っては、送信の手前で消しました。娘の言葉を、なかったことにするようで嫌だったからです。

「見たよ」

商談の時間が迫る中、それだけ送りました。妻の返事はすぐでした。

「気にしないでね。あの子、昨日のことでまだ怒ってるだけだから」

「うん」

そう返して、商談に向かいました。帰宅して「ただいま」と言い、娘の部屋のドアに一度だけ目をやって、食卓につきました。何を言っても、言い訳になる気がしたからです。

食後、娘との個別チャットをさかのぼってみました。並んでいたのは「迎え何時?」「宿題は?」ばかり。娘の不満は、いつも妻の口を通して、やわらかい言い方に変わって届いていたのです。娘のスマホをのぞいた俺が、今度は娘の取り消した言葉を読んでいた。そう気づいて、スマホを裏返しました。

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コンビニまでの道
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