
「あれ、俺が代筆した」と友人→彼女への長文を頼んだ俺が、自分の言葉で書けなかったわけ
コラム
打っては消した、言い訳の数々
ロッカーの前で開いたグループチャットには、友人の書き込みがありました。
「あれ、俺が代筆した」
続けて、手をたたいて笑うキャラクターのスタンプ。しばらくその画面を見ていました。彼女とのチャットには、「あの長文、友達が書いたの?」の1行が届いていました。返事を打ち始めました。
「元々は俺のメモで」「友人は整えただけで」
どれも言い訳に見えて、消しました。まず謝って、書いてもらったのは本当だと送りました。友人にも個別に「なんで言うんだよ」と送ると、すぐに返事が来ました。
「ごめん、もう話してると思ってた」
黙っていたのは俺なのだから、友人を責める筋合いはありません。それから、メモを横に開いたまま、自分の言葉だけで彼女に打ちました。
「紙皿を拾いに走ってたのを見てたのは俺。文章にできなくて頼んだ。ごめん」
そして...
しばらくして、彼女から「次は、下手でもいいから自分で書いて」と届き、「わかった」とだけ返しました。
翌日の夜、誰にも見せずに、自分で一行だけ打って送りました。
「鍋のとき、隣に座っていい?」
返ってきたのは「いいよ。隣のほうが、何考えてるか分かるし」。
「何考えてるか分からない」。前に付き合っていた人にそう言われてから、俺は自分の言葉を信じられなくなっていました。その同じ言葉を、彼女は隣に座れば分かると言い換えてくれたのです。自分で打ったあの一行だけは、文章のうまい友人にも書けなかったと思います。
(20代男性・工場勤務)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)



























