
「あれ、俺が代筆した」と友人→彼女への長文を頼んだ俺が、自分の言葉で書けなかったわけ
コラム
彼女に謝るための文章は、打つたびに言い訳の形になっていきました。自分の言葉だけで送り直したあとも、俺にはまだ、彼女に話せていないことがひとつ残っています。
代筆がばれた日の夕方、仕事を終えて工場のロッカーを開けると、スマホの画面に通知がいくつも重なっていました。バーベキューのときに作ったグループチャットと、彼女とのチャット。仕事中にその両方が動いていたことに、そこで初めて気づきました。
メモに並べた、俺の言葉
彼女とは、友人が開いたバーベキューで知り合いました。付き合って1週間になる日に、気持ちをちゃんと伝えたいと思ったのが始まりです。
ただ、俺は文章が苦手でした。前に付き合っていた人からは、短い返信ばかりで「何考えてるか分からない」と言われたことがあります。繰り返したくなくて書き始めても、並ぶのは「楽しかった」「また会いたい」ばかりでした。
そこで、スマホのメモに彼女について思ったことだけを箇条書きにしました。紙皿を拾いに走ってた。片付けを最後まで手伝ってた。笑うと目が細くなる。
そのメモを、文章を書く仕事をしている友人に送って、つなげてほしいと頼みました。バーベキューを主催した、あの友人です。
何回も読まれたのは、友人の文章
戻ってきた文章は、俺のメモとは別物のように整っていました。紙皿の話も、2度目に会った日のことも、彼女の笑い方も、全部入っている長文。少し直そうとしても崩れる気がして、ほとんどそのまま送りました。
彼女からの返事は「ありがとう。何回も読んじゃった」
うれしかったのは本当です。ただ、彼女が何回も読んだのは、俺ではなく友人の組み立てた文章でした。その返事を自分から崩すのが怖くて、言い出せないまま3日が過ぎました。
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打っては消した、言い訳の数々


























