
予約を当日に取り消した彼が、知らない名前の花束を受け取っていた
カップル
決めつけてしまった私
知らない名前、隠される花束、言えない理由。頭の中で、いちばん知りたくない答えが組み上がっていきました。他に大切な人がいるんだ。記念日を取り消したのも、そのためだったんだ。
それ以上問い詰めることができず、私はその場を離れました。帰り道、何度もメッセージの画面を開いては閉じました。画面の文字がにじんで、うまく読めませんでした。駅のホームのベンチに座り込んだまま、なかなか腰を上げられませんでした。彼を信じたい気持ちと、見たものが消えてくれない苦しさが、ずっとせめぎ合っていました。
そして...
後になって、彼がすべてを打ち明けてくれました。「予約の日を、俺が間違えてた」。情けなくて言い出せなかったのだと、彼は何度も謝りました。あの伝票にあったのは、二人きりのときだけ彼が私を呼ぶ、あの呼び名だったのです。ローマ字で書かれていて、一瞬では自分の呼び名だと結びつきませんでした。
知らない名前だと決めつけて部屋を飛び出した自分を思うと、今でも少し恥ずかしくなります。それでも、隠されると不安になることを、正直に伝えてほしかったことを、ちゃんと言葉にできました。すれ違った分だけ、これからは確かめ合っていける。そう思える記念日になりました。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)


























