
「君にはまだ早いかな」と連れてこられた高級レストラン。でもそこは、私のお気に入りの店なのだが...
コラム
話していなかっただけのこと
高級レストランをめぐるのは、実は昔からの母との趣味でした。このお店は家族と何度も訪れたお気に入りの一軒で、夜景の見えるあの席は母との思い出の場所でもあります。彼に話さなかったのは、自慢したくなかったから。聞かれれば答えていたけれど、彼が聞いてくれることはありませんでした。「君にはまだ早い」と決めつけられるたびに飲み込んだ言葉が、あの瞬間、ウェイターの一言でそっと解かれたような気がしたのです。
そして...
彼は終始どこか落ち着かない様子でした。私は「実はこのお店、よく来るの」と伝えました。彼は少しの間黙っていましたが、やがて「全然知らなかった」と小さくつぶやきました。帰り道、「次はお前のおすすめの店に連れてってよ」とぽつりと言ってくれたとき、ようやく隣を歩いている感覚になれた気がしました。
(20代女性・会社員)
本記事は、読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)



























