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5件の提案書を自分の名前で出し続けた俺が、社長賞の壇上で思い知った代償

コラム

壇上で聞いた名前

年度末の全社集会。「今期の社長賞は、業務改善提案に最も貢献された方です」と司会が読み上げた瞬間、反射的にネクタイに手が伸びました。立ち上がる準備をしていたのだと思います。

読み上げられたのは、彼女の名前でした。周囲の視線が俺に集まるのを感じながら、膝の上に置いた手を握りしめることしかできませんでした。

そして…

社長が提案書のデータを調べたと、あとから聞きました。5件すべてのファイル作成者が彼女のアカウントだったそうです。

式のあと、彼女は俺のほうを一度も見ませんでした。「最初は守るつもりだった」と言い訳する資格が、俺にあるのかわかりません。守ろうとした1件目と、結果的に奪っていた5件目の間のどこかで、俺は確かに線を越えていました。気づいていたのに、見ないふりをしていた。

翌朝、出社して彼女の席に向かい、「おはようございます」と声をかけました。彼女は少しだけ間を置いて、小さくうなずきました。たったそれだけのことが、喉の奥がつかえるほど重く感じました。

(40代男性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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