
後輩に気づかれたあの日、リサイクルショップで手放していたのは服だけじゃなかった
コラム
「おしゃれな先輩」として見られることが、いつの間にか私を追い詰めていました。あの金曜の夜、後輩と目が合うまでは。
見た目も仕事のうち
入社1年目の終わり、当時の上司に言われた一言が今も耳に残っています。
「見た目も仕事のうちだよ」
取引先との会食に、私だけ声がかかりませんでした。理由を聞くと、上司は私の服装にちらっと目をやってこう続けたのです。
「その格好じゃ、連れて行けない」
悔しくて、翌月からカードで服を買い始めました。最初は月に1着。それが半年後には毎週新しい服を着て出社するようになっていました。
止められない言葉
数年が経ち、私は社内で「おしゃれな人」と呼ばれるようになっていました。でも実態は、買っては売り、売っては買うの繰り返しです。リサイクルショップの常連になり、カードの支払いは膨らむ一方でした。
そんなある日、2年目の後輩の服装が気になり始めました。地味な色ばかりの、飾り気のない格好。かつての自分と重なって、つい口をついた言葉が「もっとオシャレしなよ」でした。「その服、先週も着てなかった?」「第一印象で損してるよ」
自分が言われて傷ついた言葉を、私は気づかないうちに繰り返していたのです。
次のページへ
目が合った金曜の夜

























