
彼女をフルネームのまま登録し続けた俺が、本当の理由を打ち明けられなかった話
コラム
編集画面で止まった指
その夜、彼女が眠ったあとにスマホを開きました。連絡先の編集画面を出して、名前の欄にカーソルを合わせます。フルネームを消して、ひらがなで打ち直そうとしました。でも、指が止まりました。あだ名をつけた瞬間、またあの夜みたいになるんじゃないか。画面を見られて、「この名前、誰?」と聞かれるんじゃないか。今の彼女はそんなことを言う人じゃない。わかっているのに、指が動きませんでした。
そして...
俺はまだ、前の彼女に詰められたあの夜の中にいるのだと思います。今の彼女を信じていないわけじゃない。信じているのに、指が動かない。それがいちばん情けない。
彼女が寂しそうな顔をしていたことには気づいていました。あだ名をつけてほしかったんだろう。俺だって、本当はつけたかった。それなのに、たった数文字を書き換える勇気が出ないまま、編集画面をそっと閉じました。
(20代男性・プログラマー)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)



























