
彼女の写真メッセージに「いいね」とだけ返した俺の、ソファでの「今」発言
コラム
「今」と答えるしかなかった
そのあと彼女は、軽く笑いながら、まっすぐ俺の目を見て聞いてきました。 「いつ気づいた?」 このひとことで、俺の小さな嘘は完全に行き場を失いました。何秒か沈黙したと思います。これ以上嘘を重ねるくらいなら、と腹を決めて、俺は答えました。 「今」 と言いながら、自分の声の小ささに自分で気づきました。彼女は一瞬、目を丸くして、それから笑い出しました。怒られるよりずっと、その笑い声がこたえました。
そして...
「もういいよ」と笑う彼女に、俺は「ごめん、本当にごめん」と何度も繰り返しました。許されたのか、呆れられたのか、その夜は分かりませんでした。
翌朝、出勤前の彼女の前にあらためて立って、ようやく髪型をきちんと見ました。20cmほど短くなっていたのだと、その時初めて気づきました。「やっぱりいいね」と、その場で素直に伝えました。昨日のメッセージで「いいね」とだけ送った自分の浅さを、今度こそ言葉にして埋め直したかった。コーヒーを淹れながら、これからは些細な変化にも目を向けたいと考えた朝でした。
(30代男性・ITエンジニア)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)


























