
同棲中の彼が冷蔵庫のラベルを全部はがした。理由を聞くと知らない名前が返ってきて
コラム
説明のない日々
それからの彼は、どこかよそよそしくなりました。私が冷蔵庫の話を持ち出そうとすると、さりげなく話題を変えてしまうのです。ナオという人は、彼にとってどういう存在だったのでしょう。昔つき合っていた人なのか、それとも忘れられない誰かなのか。聞けないまま、想像だけが膨らんでいきました。私が良かれと思ってしたことが、彼の中の何かに触れてしまった。けれど何に触れたのかもわからないまま、この家でどう振る舞えばいいのか、見当もつかなくなっていました。自分がこの家の余計者になったような気持ちでした。
そして...
しばらくして、彼のほうから話してくれました。ナオというのは昔つき合っていた人ではなく、若い頃にルームシェアをしていた相手だったそうです。家のものすべてにラベルを貼られ、勝手にルールを決められて、自分の家なのにくつろげなかったのだと、彼は打ち明けてくれました。
私のラベルは、彼にとってあの頃の窮屈さを思い出させるものだったのです。「だったら、最初にそう言ってよ」そう言うと、彼は素直にうなずきました。私たちはそれから、どこに何を貼るかを二人で決めることにしました。すれ違いのもとになった冷蔵庫は、今では一緒に作った小さなルールでいっぱいです。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。



























