
口癖の『まあね』を彼女に指摘された俺→嫌われたくなくて言葉を選びすぎた結果
コラム
何でも流してきた口癖を、彼女に軽く指摘されただけのはずでした。それなのに俺は、嫌われるのが怖くて、会っても言葉が見つからなくなっていったのです。
スマホを手に、俺は送りかけたメッセージを何度も消しては打ち直していました。たった一行のはずなのに、どう書けばいいのか分からなくなっていたのです。彼女からの何気ない一言が、ずっと頭の中に残っていました。
「まあね」という便利な盾
正直に言えば、「まあね」は俺にとって便利でした。「ごはん、おいしかった?」と聞かれて「すごくおいしかった」と素直に答えるのは、なんだか気恥ずかしい。本当の気持ちをそのまま口にするのが苦手で、たいていのことは「まあね」で済ませてきたのです。彼女に対しても同じでした。本当はうれしいときも、楽しいときも、照れ隠しに「まあね」とだけ返す。それが俺なりの距離の取り方であり、自分を守る方法でもあったのだと思います。
指摘された一言
そんなとき、彼女から「まあねって言いすぎじゃない?」とメッセージが届きました。笑い混じりの軽い調子だったのは分かっています。それでも俺は、自分の口癖がうっとうしいと思われていたのかと、急に不安になりました。嫌われたくない、直さなきゃ。そう思った俺は、いつもの「まあね」を封じて、「そうだね、確かにそうかもしれない。気をつけるようにするね」と、できるだけ丁寧に返したのです。けれど一度意識し始めると、どんな言葉も不自然に思えて、一通打つたびに何度も書き直すようになっていました。
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