
「それは分けておいて」彼が私の食材だけ別の袋に分けた、その日に感じた距離
コラム
目を覚ますと、彼はもう買い物に出かけていました。久しぶりの休日を、二人でゆっくり過ごすためです。やがて帰ってきた彼と一緒に、私は彼が買ってきた食材を冷蔵庫へしまい始めました。けれど袋を覗いたとき、思いがけないものが目に入ったのです。
二人分のはずだった、買い物袋
付き合って二年ほどになる彼とは、休みのたびにどちらかの部屋で過ごすのが当たり前になっていました。その日も彼の部屋で目を覚まし、二人でのんびり過ごすつもりでいたのです。
買い物から戻った彼は、いくつかの袋をキッチンの台に並べました。私は手伝おうと、その一つに手を伸ばします。卵やパン、ウインナー。いつも二人で食べるものが、当たり前のように入っていました。
ところが台の端に、もう一つ小さな袋が置かれていることに気づきました。中を覗くと、私が好きでいつも持参しているヨーグルトと、お気に入りの豆乳。私だけが口にするものばかりが、そこにまとめられていたのです。
「それは分けておいて」という一言
不思議に思いながらも、私はそのヨーグルトを手に取り、冷蔵庫へしまおうとしました。すると彼が、少し慌てたように声をかけてきたのです。
「それは分けておいて」聞き慣れない響きでした。どうしてだろうと思い、私は聞きます。「どうして分けるの?」彼はこちらを見ずに、短く答えるだけでした。「いいから、そのままで」それ以上は、何も説明してくれません。
私はヨーグルトを元の袋に戻すほかありませんでした。
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別の袋に見えた、二人の線引き


























