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彼の読書メモに混じっていた、私への不満らしき一文。聞けないまま過ごした日々

コラム

彼に思い切って聞くと、返ってきたのは『話したいことがある』という一言でした。安心していいのか分からないまま、私はその続きを、すぐには聞けずにいたのです。

スマホの通知音で顔を上げると、画面に彼の名前が並んでいました。最近二人で使い始めた読書記録アプリに、彼がメモを追加したという知らせです。何気なく開いた画面で、ある一文に目が留まりました。

メモに混じっていた言葉

彼とは、おすすめの本を貸し合うのが好きでした。読み終えると、アプリにお互いの感想を書き込んで、相手のメモを読むのがちょっとした楽しみだったのです。その日も同じ気持ちで一覧をたどっていました。ところが、ある小説のページに残された一文を、私は何度も読み返しました。『好きでも、ずっと一緒だと自分の時間が惜しくなる時がある』。本の感想のはずなのに、それはまるで、私と一緒にいることへの本音のように見えました。

聞けないまま

その一文が、頭から離れませんでした。もしかして、私といる時間を負担に感じているのかもしれない。距離を置きたいのかもしれない。考えるほど、よくない方向にばかり想像が膨らんでいきました。かといって、聞く勇気も出ませんでした。共有のメモとはいえ、彼の本音を盗み見たような後ろめたさがあったのです。いつも通りに振る舞おうとして、かえってぎこちなくなる自分がいました。

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