
彼女が勧めてくれた小説に、つい本音を書いた。それが不満の告白に見えていたとは
コラム
読み終えた小説を閉じて、僕はアプリに短い感想を書き込みました。彼女が勧めてくれた一冊で、主人公の迷いが、今の自分と妙に重なったのです。そのメモが彼女を不安にさせるとは、考えてもいませんでした。
小説に重ねた本音
彼女に勧められた小説は、恋人といることに迷う主人公の話でした。読み進めるうちに、その気持ちが他人事に思えなくなったのです。彼女と過ごす時間は好きでした。ただ、付き合ってから一人で出かける趣味の時間が減り、それを少し惜しいと感じている自分にも気づいていました。読み終えて、僕はアプリにこう書きました。『好きでも、ずっと一緒だと自分の時間が惜しくなる時がある』。本の感想のつもりでしたが、半分は自分の本音だったのだと思います。
言わずにすませようとした
共有のメモだとわかっていながら、彼女がそこまで読み返すとは思っていませんでした。今思えば、面と向かって言う代わりに、アプリの片隅にそっと本音を逃がしていたのかもしれません。一人の時間が欲しいなんて、好きな相手に言えば傷つけてしまう気がして、ずっと飲み込んでいたのです。そのうち、彼女の様子がいつもと違うことに気づきました。笑っているのに、どこかぎこちない。理由を聞けないまま、僕も切り出せずにいました。
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彼女に聞かれて

























