
助手席で寝たふりをした俺が、バーベキューの帰りに謝った理由
コラム
返ってきた一言
片付けが始まる頃合いで、彼女は軍手を外して言いました。
「疲れたから、あとよろしくね」
背もたれの倒れる音が続きました。網と、油の残った鉄板と、ゴミ袋。残された片付けを数えながら、あの日の砂だらけのシートを思い出しました。彼女は文句1つ言わずに、これを全部やったのか。炭に水をかけ、洗い場を往復するうちに、あの日の自分の言い方まで思い出してきました。車に戻ると、彼女は目を開けていました。
そして...
帰り道、ハンドルを握りながら伝えました。
「俺、あの日こう見えてたんだな」
「ごめん。全部押しつけてた」
返ってきたのは、短い答えでした。
「次はないよ」
彼女は笑っていませんでした。次の休みに、俺は玄関に置きっぱなしだったパラソルを洗い、車の中の砂を掃除機で吸いました。許してもらえたのかは、まだ聞けていません。
(20代男性・営業職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)


























