
「読んでたよ。全部」チャットを無視し続けた同居人が、台所で口にした言葉
コラム
電気の消えた台所で
貼り紙をした日、水を飲みに台所へ向かうと、明かりの消えた流しの前に人影がありました。一番口数の少ない同居人が、私のふきんでシンクを拭いていました。
「読んでたよ。全部」
彼女は手を止めずに続けました。
「無視してたんじゃなくて、返事より先にやっておきたかった」
それから彼女は、リビングでの出来事を教えてくれました。私のお願いが流れるたび、残る2人が「どうせ言うだけでしょ」と笑っていたこと。それが嫌で、返事の代わりに手を動かしていたこと。乾いていた朝のシンクの理由を、私はやっと知りました。
そして...
週末、私は四人での話し合いを提案しました。当番の話になると、2人は顔を見合わせるばかりでした。先に口を開いたのは、いつも無口な彼女でした。
「読んで、やってる人もいるよ。笑うのは違うと思う」
2人は下を向き、小さく謝りました。今では壁の貼り紙が当番表に代わり、私のお願いの下には、3つの反応が並ぶようになりました。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)


























