「今日はこいつと寝るわ」と送った俺。かわいい猫とリラックスしただけなのに

コラム

自分の送った文章だけを読み返しました

写真を見ずに、1つ前のメッセージだけを読み返しました。「今日は疲れたからこいつと寝るわ」猫を知っている俺には何でもない文章です。けれど、実家に猫がいることすら知らない彼女からすれば、「こいつ」が誰なのか分かるはずがありません。俺は、「あれ、言ってなかったっけ」と送りました。返事を見て、どうやら本当に一度も話していなかったらしいと分かりました。週明け、彼女の部屋へ寄ると、その話になりました。「私、『こいつって誰?』って送るところだった」彼女はそう言って、あの日3回メッセージを書き直したことを教えてくれました。最初は「こいつって誰?」。次は「実家だよね?」。最後は「ちゃんと説明して」。最後のメッセージは、写真が届いてから消したそうです。俺は自分の送った文章をもう一度見て、「これ、猫知らなかったらまずいな」と言いました。彼女からすぐに、「だから知らないって」と返されました。

別に、実家の猫を隠していたわけではありません。ただ、最近は猫の話を誰かにすること自体を避けていました。前まで上れていた階段を途中でやめたり、寝ている時間が増えたりするたびに、昔とは違うことが増えていきます。母から写真が届いても、かわいいと思うより先に、その変化を見るようになっていました。彼女に話したら、そこまで説明することになる気がして、結局何も言わないままになっていました。そのことを話すと、彼女は少し考えてから、「次に帰ったとき、動画も見せて」と言いました。俺は「起きてたら撮ってくる」と答えました。

そして...

次に実家へ帰った日は、猫はリビングの窓際で寝ていました。スマホを向けて呼ぶと、顔だけ上げます。しばらくして立ち上がったので、その様子を撮って彼女に送りました。数歩歩いたところで座布団に戻ったので、「今日はここまでらしい」と続けました。彼女から返ってきたのは、「あの日の『こいつ』、思ったよりのんびりしてるね」でした。その言葉を見て、昔の写真も見せようと思いました。実家に置いたままだった写真を探すと、俺が子どものころの布団で猫が寝ているものが何枚も出てきます。それを撮って彼女へ送っているうちに、これまで話してこなかった昔のことまで自然に説明していました。俺にとって当たり前だった実家の話を、少しずつ彼女も知るようになりました。

(20代男性・営業職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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